野シバはすごいぞ!という話。
こんにちは。
オンライン担当の林です。
今日は野シバの話を書きたいと思います。
「なかほら牧場=野シバ」というくらい(?)、
なかほら牧場を代表する存在で、
様々な面から牧場を支えてくれている植物が野シバです。
( ↑ なかほら牧場の綺麗な芝生は野シバの放牧地。)
野シバはイネ科シバ属の植物で、
学名は(Zoysia japonica)、和名はシバ。
シバにも種類があるため、
このシバを特に"野シバ"と呼んでいるようです。
なかほら牧場はこの野シバを主体に
山に牛を放牧する
『山地(やまち)酪農』を行なっています。
https://nakahora-bokujou.jp/yamachi/
( ↑ 山地酪農の概要はこちら。)
さて、冒頭に「様々な面で牧場を支えてくれている」と
書きました。
もちろん第一に、ウシたちの食べ物を供給してくれている点。
( ↑ ウシたちはこの野シバを美味しく食べています。)
もうひとつは山地酪農に欠かせない"山自体"を
支えている点です。
野シバの根っこを横から見るとこんな感じ。
( ↑ 根っこがびっしり!)
20〜30cmにもなる根っこが深くまで根付き、
地面をしっかりと固定します。
そして匍匐茎(ほふくけい)という茎で
地面を這うように伸び進み、
一定間隔で葉を出し、
その葉の下から根を伸ばします。
( ↑ 段差がある場所もどんどん伸びて、いずれは野シバが覆います)
一般的に酪農や放牧に使われる"牧草"と呼ばれるものは
同じイネ科でも上へ伸びる種類がほとんど。
(多くは外来種です。)
( ↑ こんなイメージ。中心から上へと伸びていきます。)
外来牧草も施肥をすれば根が張りますが、
野シバは栄養分の少ない土地でも
太陽の光で伸び、長い根を伸ばします。
さらに横に伸び進んで地面を覆うため、
牛が歩いても崩れてしまうケースは少なく、
仮に崩れたり穴が開いたりしても
いずれ修繕してくれます。
( ↑ 後から種まきしなくても、自然と伸びてくれます。)
また、牧草の場合は丈が伸び過ぎると
硬くなってしまい、
ウシたちは食べなくなってしまいます。
そのため、様々な手入れが必要ですが、
一方の野シバは伸びても20cmほどなので、
ウシたちが嫌う硬さにもならず、
放牧地を区分けしたり、放牧頭数を変えたりといった
手間がかかりません。
( ↑ シバの一本一本、葉の一枚一枚は小さくても、集まって密生すれば立派な放牧地になります!)
野シバは長さが短く、生えている期間も長くないため
一般に収量が低いと言われてしまいますが、
50ha以上(現在では開拓中の場所も含めて100ha超)の
山があればウシたちも満足に草が食べられ、
足腰が丈夫になって健康になり、
美味しいミルクが採れるのです。
まだまだ野シバのタネの話や保水力の話など、
お伝えしたいことはたくさんありますが、
今日はここまで!
お読みいただき、ありがとうございました。