ウシは草食

反芻胃は、細菌群・原虫群に草を食べさせて栄養をつくる、発酵~製造タンク!

■ 一度飲み込まれて第1胃に入った草は、一定時間後に口へ戻りもういちど咀嚼(そしゃく)されます(これがいわゆる反芻[はんすう]です)。この反芻を何度も繰り返すことで、食物繊維のかたまりである草は細かく砕かれて唾液と混ざり合い、微生物による分解・発酵を促進します。 ■ セルロース・デンプン・ヘミセルロース等の炭水化物は、反芻胃(第1胃と第2胃)に“共生している”または“棲(す)みついている”さまざまな微生物の代謝活動によって分解、発酵します。その結果、食物中のタンパク質からペプチド・アミノ酸・アンモニアが生成され、これらはルーメン(第1胃)の中に存在する細菌の菌体タンパク質として再合成されます(草を食べない哺乳期の仔ウシの第1胃と第2胃は機能せず、母乳が第3胃に直接入るそうです!)。そして、この菌体は、第4胃で消化されてウシのタンパク源になるのです。

第3胃は吸水装置、第4胃は増やした菌類・原虫類を消化する“普通の”胃。

■ 第3胃はおもに水分の吸収を行い、第4胃は人の胃と同じように胃酸やタンパク質分解酵素を分泌して消化を行います。第1胃からつづく代謝でさまざまな栄養素を分解・合成してきた微生物はこの第4胃でようやく命を終え、栄養源として腸で吸収されるわけです。

ウシの健康が、人間の健康。草食動物は、やっぱり草と葉で育てましょう。

今さらいうまでもないことですが、ウシは本来が草食の動物です。草食動物は人間が消化吸収することのできない草や葉を食べて大きくなり、人間に乳や肉を提供してくれるありがたい存在です。生産量を増やす目的の下に、この素晴らしい消化吸収メカニズムをもつ草食動物の食性をこわすのは止めた方がいいと思います。動物福祉という考え方が出てきて知られるようになった『ウシの健康、ウシの幸せ』のためにも、そして何より、動物から乳・肉を分けてもらって生きている私たち人間の健康のために。
※1 反芻動物の第4胃内にガスが貯留することにより第4胃が左か右に移動し、消化障害あるいは閉塞の症状を示す疾病。四変(よんぺん)ともいう。 ※2 牛の胃全体の80%を占め、100リットル前後もの容量がある。第2胃を含めて反芻胃と呼ばれる。