1. 交配も分娩も哺乳も、すべて自然のまま

山地酪農とは

交配も分娩も哺乳も、すべて自然のまま

人間は赤ちゃんを産んで初めて母乳が出るようになりますが、牛はどうなのでしょうか? 「 “ 乳牛 ” というぐらいだから、成牛になると自然に乳を出すようになる 」 と思っていませんか?いいえ。乳牛も人間と同じように、産まれた子どもを育てるためにお乳を出します。そこで、一般の牧場では搾乳量を増やすために、人工授精と分娩を効率的に 管理し繰り返すことで、常に搾乳できる牛を作り上げています。搾乳量を最も重視する牧場にとって、生まれた子牛を母牛の乳で飼育する訳にもいかず、生まれ て数日で母牛と引き離し哺乳バケツで人工飼育するのです。

一方、山地酪農ではすべてが自然の営みとして牛まかせ。
父牛が群れの中で交配を行い、分娩・出産は母牛の自力作業です。もちろん生まれてきた子牛への哺乳も母牛が行いますので、子牛は成長に必要な成分を豊富に 含んだ初乳を飲み、母牛の愛情をたっぷりと注がれながら成長します。人間の子どもと同様、成長するに従って集団のルールや自然の生き方を学ぶのです。山地 酪農研究所の基幹牧場である岩手中洞牧場では、出産後の1~2ヵ月間、母牛から搾乳するのは子牛が飲み残した分だけです。乳は基本的にすべて子どものも の。母乳の栄養と母牛の愛情を受けながら、野山を走り回った子牛は丈夫に育ち、成牛後の十数年間という長い間、健康的で美味しい生乳をもたらしてくれることになるのです。

交配も分娩も哺乳も、すべて自然のまま