1. 酪農から「楽農」の時代へ

近代酪農の問題点

酪農から「楽農」の時代へ

日本の酪農に未来はあるのか?
これまで、山地酪農を実践してきた経験から出る答はもちろん “ YES ” です。
酪農は人間にとってこれからも必要であり、経済活動としても十分に成り立つ産業のひとつです。ただ、これまでの近代酪農にしがみついていては、脱却の糸口を見出すことが難しいでしょう。今こそ、酪農の在り方を見つめ直し、特に若い世代のみなさんに、夢と希望を持ってこの産業に積極的に飛び込んでほしいと思います。

しかし、山地酪農では飼育のための牛舎を利用せず、夏も冬も年間を通して屋外で放牧します。もちろん昼夜の区別なく。夏はまだしも冬は寒さで凍えるのでは?と思われるかもしれませんが、意外と牛たちは平気なのです。体を寄せ合って寒さをしのぎ、日中太陽が昇ると元気に乾草を食 ( は ) む。むしろ夏の暑さの方が苦手のようです。牛たちは、広大な放牧地を 1日中歩きながら草を食べ、夕方 5時ぐらいになると麓の牛舎に搾乳のために自ら集まってきます。搾乳が終わるとまた放牧地へと帰って行きます。 食事も、排便・排尿も、運動も、休憩もすべては牛たちの意思が最優先。牛たちは、自然の中で本来の生理・生態にそったストレスの無い生活を営みます。 それは牛たちにとって最高の環境でありながら、酪農従事者にとってもさまざまなメリットをもたらすのです。

酪農から「楽農」の時代へ

これまでの近代酪農の問題点は、山地酪農によって解消できます。もちろん事業としてそれなりのリスクはありますが、たくさんの可能性にあふれています。 山地酪農のメリットをこれまでの酪農と比較すると一目瞭然。酪農従事者に作業的経済的負担をこれまでよりもはるかに軽減することができるまさに " 楽農 " が実現します。それ以外にも、里山や森林荒廃を食い止める施策としても大きな注目を集めています。日本の国土に適した山地酪農は、日本の酪農に改革をもたらすとともに、日本の里山と山林を守る切り札として今後いたるところで実践されていくものと思います。

これまでの酪農 山地酪農