山地酪農について ABOUT NAKAHORA

なかほら牧場と山地酪農

岩手県の約6割を占める北上山系は、 なだらかな地形に楓・松・楢などの山林が広がり、野生動物も多く生息する自然豊かな土地。 なかほら牧場はその北上山系の標高700~850mの窪地に位置し、 平らな牧草地ではなく山の植生を活用する「山地(やまち)酪農」という手法を用いて “牛なり・山なり・自然なり”の放牧酪農を行っています。

ウシは一年を通して山で自由に過ごし、 太陽と月と雨と土中のバクテリアの力だけで育つ野シバや木の葉を食べで暮らします。 草食のウシを、ちゃんと草で育てます(※)。 繁殖も『自然交配・自然分娩・母乳哺育(生後2ヵ月程度)』。動物の食性と行動を維持することは 私たちがいのちを分けてもらっている家畜を健やかに育てるうえで つまり、人びとの健康をまもるために欠かせないことだからです。 ※粉砕焙煎大豆・圧片小麦・雑穀ぬか等、搾乳時のおやつを除く(冬期の飼料は無農薬の自家採草サイレージまたは国産乾草)。 半年に1度、牛乳の放射能検査を実施。現在に至るまで放射能不検出です。

開設 1984年6月
所在地 岩手県下閉伊郡岩泉町上有芸水堀287 〒027-0505
電話:050-2018-0110 FAX:050-2018-0178
スタッフ 12名
面積 およそ130ha
頭数 およそ130頭(うち搾乳牛60頭前後)
平均乳量 2,100㎏/頭/年
法人名称 農業生産法人 株式会社 企業農業研究所

ウシは草食

ゾウ・キリン・馬・ウシなどなど、草食動物はカラダも大きめで優しい顔をしています。 それは、ほかの生きものと争わずに栄養を摂取することができるから。 なかでもウシの消化吸収システムはとくに完成度が高いそうです。
ウシは人間が食べることのできない草を食べ、人間の食料になるミルクや肉を提供してくれます。 その機能を担(にな)っているのは“4つの胃”のなかにある『もうひとつの生態系』。 ウシは、人間が消化できない植物中のタンパク質を“第1胃の中で飼っている”微生物に引き渡してそれを増やし、微生物のカラダという利用しやすいタンパク質に変換・増量して養分にするのです。

牧草ではない理由

放牧というと多くの人が牧草を思い浮かべますが、牧草は化学肥料を使うことが多いので、ミミズなどの虫が減ってしまうといわれます。
山地酪農は『土の中の生きものが少なくなるクスリが、イノチを育てる作物の生産にいいはずはないよね』という当たり前のことを基本にしているのです。
温暖多雨な日本の山林は地力が豊か。野シバだけでなく、野草・クマザサ・木の葉など、ウシの好物がたくさん生えています。そんな自然を生かさない手はありません。

山地酪農はウシまかせ

健康なウシを育てるもうひとつの大切な要素は、最初にお話しした“本来行動”の維持。
広い山に一年じゅう昼も夜も放牧し、食事・睡眠・排泄はもちろんのこと、 交配・分娩・哺育までを全部ウシまかせにしているため、ストレスとは無縁。 オマケに毎日の山の上り下りで足腰も丈夫です。だから健康そのもので、ほとんど病気にかかりません。
まさに“幸せなウシからおいしくて健やかな牛乳”というわけです。

山地酪農は全て自然にまかせる

すべてが“ウシなり”では、管理者の負担がたいへんでは?と思われるかもしれませんが、ウシは賢い生きものであり、心配ありません。 お乳が張れば搾乳小屋にやってきますし(おやつで躾けたりはしますが)、毒のある草は食べません。 ウシを自然にまかせることで、ウシだけではなく、酪農家にもメリットが生まれるのです。

  1. 牛舎不要

    山全体がウシの家なので、牛舎はありません(搾乳舎はあります)。 冬でも山に帰っていく姿には、酪農家の皆さんも驚きます。

  2. 給餌不要

    エサは自生する野シバや葉っぱなので、冬期のエサやりと搾乳時のおやつ以外、エサやりの必要もありません。

  3. 人工授精不要

    ウシは動物ですから、本来は受精も分娩も人間の手を必要としません。 母ウシは頑張って自分で産みます(生後2ヵ月は母乳で育てるので仔牛も元気!)。父ウシ(=種付牛)は、だいたい母ウシ60頭ぐらいの面倒をみるといわれていますが、種付牛は放牧場に1頭しか存在できない(オス同士で喧嘩をするため)ので、たいへんかも!

  4. 糞尿処理も不要

    牛舎がないので、糞尿処理のための設備も手間も要りません。 山の糞尿は野シバや野草の肥料になります。

  5. 削蹄不要

    山を歩き回っていると蹄(ひづめ)が伸びないので削蹄の必要もありません。

  6. クスリも不要

    自然放牧の家畜はあまり病気にかかりませんから、クスリ(※)もほとんど使いません。だから、かわいい仔牛のために出すミルクは甘くて健康そのものです。 もちろん、問題とされる成長ホルモンを含む、いかなるホルモン剤の投与もありません。 (※)抗生物質による治療が必要な場合は使用しています。また、薬を投与している期間および残留中の乳は出荷されません。抗生物質残留検査を実施しており、厳格な基準をクリアした牛乳を出荷していますのでご安心ください。

山地酪農で山も元気に

山にウシを入れると、背の高い草も下草もウシに食べられたり踏みつけられたりして消えていきます。その後に生えてくるのは、生命力のつよい野シバ。
野シバの草地は、株化する牧草とちがって匍匐茎(ほふくけい)でドンドン広がります。20~30センチにもなるつよい根っこのマットで土をしっかりと抱え込んで、ちょっとやそっとの大雨では崩れない“つよい山”をつくります。
化学肥料も不要ですから、土の中の生きものが死ぬこともありません。
輸入飼料も要らなくなりますから、酪農が本当の“国産農業”になります。

本物の牛乳から作る全ての製品は
自然な味わいでカラダに優しい

牛乳

自家製造し、なかほら牧場から直送する本物の牛乳。

ドリンクヨーグルト

自然放牧牛の生乳で作った絶品ヨーグルトです。

カップアイス

シンプルに、そして正直に。なかほら牧場牛乳の味わいを楽しむアイスです。

バター

草育ち(Grass-fed)のウシのミルクでつくる「グラスフェッドバター」。国産のものは大変希少です。

プリン

牧場の牛乳と、放し飼いの健やかな卵を使い、ひとつひとつ手作りしています。

ミルククリーム

自然放牧の健康なミルクと有機栽培のアガベ シロップをじっくり煮詰めて作った逸品。

ギフト

農薬も添加物も使わない自然食品だから、子育て中のご家庭へも安心して贈れます。

ソフトクリーム

放牧牛のミルク感を活かすため、合成添加物は一切使用していません。※直営店での提供のみ

カレー

グラスフェッドビーフの赤身肉を数十種のスパイスで煮込んだ、本格ビーフカレー。

ハンバーグ

グラスフェッドビーフの粗挽き肉を、トマトソースでじっくり煮込みました。

ミートソース

トマトをベースに肉の旨味とコクを生かした基本のミートソースです。パスタソースとしてはもちろん、ピザソースやスパイスを加えたキーマカレーなど、いろいろなアレンジにも使えます。

赤身肉

世界でも希少な“本当の”グラスフェッドビーフ。野シバ飼育の完全自然放牧で、出荷前日まで草しか食べさせていません。